天皇誕生日祝賀レセプションの開催

令和4年3月13日
speech
sushi
cake
 3月10日、新村総領事夫妻主催による天皇誕生日祝賀レセプションが総領事公邸で開催されました。新型コロナ感染対策のため、例年より縮小した規模での開催となりましたが、外務省を始めとする当地政府や主要機関の関係者、そして在留邦人代表者を含む約百数十名のゲストが出席しました。
 
 今次レセプションには、東京2020オリンピック開会式でサウジ選手団の旗手を務めたカヌー選手フセイン・アリー・レザー氏、サウジ人女性初の空手の国際審判員として活躍するナダー・アル・マシャート氏、そして今年7月にサウジで初めて実施予定の日本語能力検定試験をホストする当地ダール・アル・ヘクマ大学関係者を迎え、新村総領事から、日・サウジ関係の強化に向けた尽力への謝意を表明しました。
 
 会場では、総領事公邸料理人による日本食と来客を前に調理した揚げたての天ぷらのほか、当地日本食レストランが提供する寿司などが提供され、日本食普及に向けた絶好の機会ともなりました。また、当地在留邦人女性による抹茶のデモンストレーションと試飲も行われ、来客の好評を博しました。
 
 新村総領事からは、英語とアラビア語を織り交ぜつつ、以下のスピーチを行いました。

新村総領事のスピーチ(仮訳)

外務省マッカ州支部長マーゼン・ビン・ハマド・アル・ヒムリー閣下
同僚である各国総領事の皆さま
関係各位
 
 アッサラーム・アライコム・ワ・ラハマトゥッラーヒ・ワ・バラカートゥフ(アラビア語で、「アッラーの平和と慈しみ、そして祝福が皆さまの上にありますように」の意味)
 
(英語で)
 まず、2月23日に天皇陛下が62歳の誕生日をお迎えになったこと、そして、その機会にサルマン・サウジアラビア国王陛下とムハンマド・ビン・サルマン皇太子殿下から陛下に心温まるメッセージが寄せられたことを御紹介いたします。パンデミックのため順延を余儀なくされましたが、今晩、この機会を皆さまと共にお祝いできることを大変嬉しく思います。
 
(アラビア語で)
皆さま
 
 本年、サウジアラビアは、天皇誕生日の前日である2月22日を「創設記念日」として祝うことを決定しました。連続する2つの休日は、日本とサウジアラビアの両国と国民が我々の友情を再確認する良い機会となります。
 
 この機会に、サウジアラビアの指導者に対する感謝と謝意を表明したいと思います。その賢明なビジョンと思慮に溢れた政策によって、サウジアラビアは偉大な成功でもってパンデミックを克服し、規制措置の多くが既に解除され、在留邦人を含む国民や居住者による生活と様々な活動の継続が可能となりました。このレセプションも、そのおかげです。
 
(英語で)
皆さま
 
 我々がパンデミックの最後の段階にいるものと確信しています。東京五輪は、新型コロナを克服する上での人類の強じんさとグローバルな団結を再確認する機会となりました。
 
 昨年3月にジッダに参りましてから、日本のポップカルチャー、例えばアニメや漫画、そして武道や書道といった日本の伝統芸術に心を引かれる大変多くのサウジの方々にお会いできたことを嬉しく思います。
 
 先週、ここでサウジ人女性初の空手の国際審判員となったナダー・アル・マシャートさんとお会いしました。彼女が空手を深く愛していることに感銘を受けました。また、彼女が我々の総領事館での日本語講座の活発な生徒さんのお一人だったことを嬉しく思いました。
 
 「不可能なことはない」。これが、サウジ人の友人に伝えたいアドバイスですと、そうナダーさんは私に教えてくれました。しかし、これは私へのアドバイスでもあります。パンデミックによるあらゆる困難と課題にかかわらず、このようなサウジの日本文化普及「大使」の皆さんを応援して、このジッダで日本文化を更に広めるために、私は、なし得ることを全てやっていきたいと決意しています。
 
 ナダーさんが今晩ここに来ておられます。ナダーさん、どちらにおられますか。はい、あそこにおられますね。ナダーさん、おめでとうございます。(拍手)
 
 さて、日本語について触れましたが、サウジアラビアで初めて、国際的に認知された日本語能力検定試験(JLPT)が、ダール・アル・ヘクマ大学の寛大な御協力により、ここジッダで今夏に開始されるようになったことを発表したいと思います。これによって、サウジアラビアで一層多くの方々が日本語を勉強されるようになることを望みます。
 
 このダール・アル・ヘクマ大学でJLPTの立上げに向けて一生懸命取り組んでいただいた優秀なチームの方々も、今晩こちらに来ておられます。皆さまの高い協力精神と誠実な御尽力に感謝いたします。(拍手)
 
 (アラビア語で)
皆さま
 
 紅海の花嫁と呼ばれるジッダは、今、「ビジョン2030」に具体化されたサウジアラビア政府全体の取組を通じて、多面的な変容を遂げようとしています。このことは、日本とサウジアラビアとの協力と友好的な絆を更に広げる上で、大きな機会を与えてくれています。こうした機会を最大限に活かしていくことが、私の使命です。
 
 サウジアラビア王国とその国民の皆さまが、国王そして皇太子の指導の下で大いなる進歩と繁栄を達成され、また、日サウジ両国の関係が更に発展することを願います。
 
 (日本語で)
 在留邦人の皆さまに、一言御挨拶させていただきます。本日、御来場を賜り、誠にありがとうございます。平素よりの総領事館の活動への御支援と御理解に厚く御礼申し上げます。
 
 (英語で)
皆さま
 
 最後に、私の重要な使命の一つには、日本食の普及があります。今晩は、そのための絶好の機会でもあります。私の公邸料理人、そしてジッダの日本食レストラン2軒に用意いただいたこの日本食を是非お楽しみください。それでは、日本の味と共にこの夜をお楽しみください。
 
 ありがとうございました。
 
 なお、この東京オリンピックの開会式でサウジアラビア選手団の旗手を務めたカヌー選手、フセイン・アリーレザー選手が今晩ここにおられます。アリーレザー選手。東京でサウジ選手団が示されたスポーツマンシップは、私たちの永遠の記憶として残ることでしょう。ありがとうございました。(拍手)